高校野球やプロ野球が昼夜行れていて、リモコンを勝手に楽しく見ている。
どっちが勝つのか負けるのか、人は勝負事が好きなんだろうな。
その勝敗を分けるポイントがいくつかあるが、皆さんはどんな考えをお持ちだろうか?
例えば、そのチームに素晴らしいエースがいるとか、スーパースターがいるとかと、と考える人は少なくないと思う。
どれも間違いではないのだが、それで勝敗が決するのでは面白くない。
強いとされるチームに勝ったり、番狂わせが起こることが感動を呼び称賛されること多い。
高校野球の大阪桐蔭の試合を見た。
試合が始まり選手の動きがヤバイ。
選手間でのコミニケーション、打席に立ったものが次打者に何か言っているし、とにかくデータの確認をしてるように思えた。
大阪桐蔭の西谷監督も認めているように、洗練された情報の伝達システムがある。
また即効性がないとその情報は古くなるため、攻撃をしてる間にみんなに伝えられる。
控え選手が情報を聞き、出場してる選手にすぐさま伝えるシステムに、西谷監督は当然と言い涼しい顔をしている。
データと確認、それを照らし合わせて伝達、時に違うことがあれば修正も行うのだろう。
いゃ〜参った、それでなくても強いのにやってる事が素晴らしい、だから強いのだろうね。
大阪桐蔭は追われる身、強いチームは油断は絶対に許されない事を、監督をはじめ選手達もよく知っている。
2004年にアテネオリンピックの守備走塁コーチを頼まれチームの一員になる。
プレッシャーは想像を超えているし、『金メダル以外では日本に帰れない』と感じていた。
なんせ監督が、長嶋茂雄さんである。
オリンピックで一度も勝ってないキューバのデータは、本一冊分ぐらいあった。
試合の前日に私の部屋に届けられる。
えぇ〜こんなにあるんかぁ〜参ったなぁ〜、と言うのもデータが多すぎると迷いが生じてくるし、ゲーム中に聞いてくる
情報をすぐさま伝達しなければいけない、ページをめくってる暇など無いのだ。
夜な夜なメモ用紙に抜粋しまとめる作業をする、それをポケットに忍ばせ選手の要求に応えた。
簡単なことで言うと、キャッチャーの城島が、『このバッターは1球目から打つのか?』と聞くと
素早くメモを見ると『ストレートは打つが変化球は打たない』と答える。
宮本慎也が手を挙げてる、『バッターの足は速い?』速そうに見えるが遅い、ポジションを深く取っても大丈夫。
こんなやり取りをしていた、ピッチャの特徴、ベンチから口笛を吹きバッターにどこのコースにキャッチャーが構えたのまで
データとしてキューバを丸裸にしていたので負ける気がしなかった。
ではなぜ日本は金メダルに手が届かなかったのか?
オーストラリア戦前日、部屋でまてど暮らせどデータがこない。
どうした事だろうと資料室に出向くと、データは無いとの事。
『今までオリンピックでは負けたことの無いチームです、オールプロなら大丈夫ですよ』と返答が返ってきた。
でも何かないとミーティングが出来ないし、何より選手達がデータに頼ってるため不安がるのは分かっていた。
試合当日のミーティング、これしかデータが無いと見せたのが相手のメンバー表。
それで何が分かるのか?先発ピッチャーは?などと声が飛ぶがどうすることも出来ない。
分かった、『現場に着いたら出来るだけの情報をとるからそれで勘弁してくれ』こんなやり取りをしてミーティング終了。
グランドに向かうが案の定、選手達の表情には不安の色が隠せないでいる。
その不安は、日本のチームをどん底に叩き落とす結果となった。
慢心が招いた失態だった。
データと言うのはどんな時代にも存在する。
それをチームみんなが共有し伝達が迅速であれば、これほど頼りになり心強いものはない。
試合前のミーティングは、勝算を持って戦わせるか、勝算を見つけながら戦わせるかでは、全然違った結果になるだろう。
データ、伝達力、勝算、この3つを大切にしてるチームは必ず強いチームになる。
最後まで読んでくれて、ありがとう!